概要
2007年8月23日から3日間に渡り名古屋国際会議場で開催された「リハ工学カンファレンス」に、当研究所などで開発中の「コンパクトアーム付き電動車いすEMC-230+U」を出展しました。
6月の初公開以来、研究所内外でデモ・体験会などをしてきましたが、今回のカンファレンスは最も長期間かつ大勢の方に見て頂く機会となりました。
選考会のための実機展示
このカンファレンスでは、日本リハビリテーション工学協会主催の研究発表会と同時に、同協会主催の「福祉機器コンテスト2007」一次審査通過作品の展示会も開催されました。コンパクトアーム付き電動車いすも一次選考を通過しましたので、3日間通して実機を展示・実演しました。

このコンテストでは、身近な小物・道具に創意工夫をこらした物の出展が大勢で、コンパクトアーム付き電動車いすのように比較的大型の物は少数派でした。そのぶん、具体的な質問・感想が多く寄せられたように感じます。

交流広場でも展示
2日目は「交流ひろば」にて展示デモを行いました。訪問者の方には、「落としたタオルを拾い手元まで運ぶ」という基本作業に加え、
- 収納時のコンパクトさ
- 電動車いす用の操作スティックでアーム操作を共用できる
という点を強調してデモンストレーションをしました。対象となるユーザー、OT、エンジニアなどの方々から、賛否を含め大変な反響をいただきありがとうございました。
電動車いすと統合した操作インタフェース
コンパクトアーム付き電動車いすに乗車・操作体験していただきましたが、多数のボタンを使うのではなく、ジョイスティックの傾斜の強弱によって機能を使い分ける工夫は、大変好評でした。

押しボタンやタッチパネルなどのように、入力装置を見ながら操作する必要がないので、 慣れれば非常に快適な入力方式です。この工夫については、他のマニピュレータ開発会社の方も大変興味を示されましたので、他社製品にも採用されるかもしれません。
一方、「操作方法が難しすぎないか」という指摘もありました。現状ではある程度の器用さが求められる入力方法であるため、ユーザーに合わせ改良していく必要があります。
プロモーションビデオについて
コンパクトアーム付き電動車いすの詳細は、当研究所のWebサイトにある報告書にあるとおりですが、このカンファレンスに合わせて、プロモーションビデオを制作しました。
このビデオは、福祉機器コンテストの応募やカンファレンスでの研究発表に使いましたが、このビデオを見られた方からいただいたご感想の中には、「飲み物を飲む姿勢に無理がある」とご意見がございました。
現在、道路交通法の制限でアームの支柱をこれ以上高くすることができない、アームの関節を増やすと価格や大きさに影響がある、アームを顔(目)のそばに持ってくる時の安全性確保などの理由から、アームの可動範囲を制限しています。
なお、ハンドの握力は調整可能であり、紙パックの飲み物でも、パックを潰すことなく掴んで持ち上げることが可能です。
「ビールをジョッキで飲みたい」という切実なご要望などもございましたが、電動車いすの機能・行動範囲を損なうことなく、かつ法令を遵守することが重要と考えています。
福祉機器コンテスト2007用プロモーションビデオをダウンロードできます。いずれも同じ内容ですので、閲覧環境に合わせてダウンロードしてください。
| 画像形式 | 画像サイズ | フレームレート | ファイルサイズ |
|---|---|---|---|
| MEPG1 | 352×240 | 30fps | 55.7MB |
| Windows Media 9(大) | 640×480 | 30fps | 40.1MB |
| Windows Media 9(中) | 320×240 | 30fps | 16.1MB |
| Windows Media 9(小) | 320×240 | 15fps | 4.3MB |
| QuickTime 7(iPod)(大) | 640×480 | 30fps | 34.7MB |
| QuickTime 7(iPod)(中) | 320×240 | 30fps | 14.8MB |
| QuickTime 7(小) | 320×240 | 15fps | 4.5MB |
終わりに
そのほか、最も多かった質問は「価格」についてです。最終的には市場が決めるものでしょうが、開発サイドとしては、基本的には電動車いすの「オプション」として販売するため、車両本体価格を下回る設定にする必要があると考えています。
その他、いただいたご意見やご提案を踏まえ、更なる改良を加えていく予定です。ブースまで来ていただいた上有用なコメントを下さった皆様、このようなチャンスを与えてくださいましたリハ工学カンファレンスならびに福祉機器コンテストの実行委員の皆様に深く感謝いたします。